コチョウランの花に願いを

□始まりのハジマリ
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『落ちる!!落ちる!!』

「君は不思議なことを言うなぁ♪ここは穴なんだから落ちるのは当たり前だろ?」

泣き叫ぶ私とは対照的に
エースは余裕を持て余していた


落ちる 落ちる 落ちる.........
あれ? なんか慣れてきた.....

そう思いかけた時視界が開けた


暗い穴から
急に明るい場所に来た為
一瞬視界が真っ白になった

視界が戻った時始めに見えたのは
地面だった

ちょっ!!待っ!!死ぬ死ぬ!!

そう思い
瞳をギュッと閉じるが
傷みは幾ら待っても来なかった

『?』

不審に思い
そろそろと瞳を開くと

「大丈夫?」

エースに
受け止めてもらっていた

『だ・・大丈夫』

ちょっと待って・・・
何?この状況・・・・
誰得?モチ私得でしょ・・
ヤバイ!!死ねる!!
どうする?どうする?

脳内が萌えを爆発させているのを
気付かれない様に
平然を装って答えようとしたが
無理だった

『取り合えず・・ありがとう』

そう言いうと
彼から離れ周りを見渡す
何処からどう見ても
"時計塔"だ

『・・・・・・・何でこうなった』

散々"トリップしたい!!"やら
"非現実に行きたい!!"と
言っていたが
いざ来たら来たで......

『ハァ・・・・・・』

この世界で生きていける
自信がない
いや・・・自信はある・・
死ねる自信なら...

グルグルと色々な事を考えるほど
頭を抱えたくなる

「なぁ」

『!?』

思考を巡らせ過ぎて
エースの存在を完璧に忘れていた

『・・・・・・・・何?』

振り返り
顔色を少し伺ってから
話しかけるが返ってきたのは
ニコッという効果音が
付きそうな笑顔だけだった

暫く互いに無言でいると
近付いて来た

『?』

いつもだがにこやか過ぎて
何を考えているか全く分からない

エースはおもむろに懐に手を入れ
小さな小瓶を取り出した

『!?』

待て待て待て!!
この展開はもしや...

後退りしていく私に小瓶を見せ

「コレ飲ませないとな?」

そう言った



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