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魔法都市・ラティウム。
その上空を、今日もドラカーゴが乗客を乗せ
ゆっくりと旋回する。
この"始まりの地"と呼ばれる場所に静かに
だが絶対的な存在感を漂わせるように佇む城…
【ミルス・クレア魔法院】
「あれが、ミルス・クレア....
父さんと母さんの出会った場所。
魔法学校、か。」
目的地の場所を静かに見つめ
ぽつりと呟く。
その呟きは何かを懐かしむようにも聞こえる。
彼女の名は【ノエイン】。
実際には
"ノノエイディン・ポプリコット"という。
本人はうっすらとしか覚えていないが、
幼い頃、ある人により呼ばれた
ニックネーム、というやつだ。
両親や周りからも、いつからか
そう呼ばれるようになり、
自身でも自然と
そう名乗るようになっていた。
ふっと、ノエインはあることが気になり、
周りを盗み見るようにちらりと見た。
同じようにミルス・クレアに
新入生として入学するのだろう女子生徒達がちらほらと見える。
だが彼女達は
明らかにノエインとは違っていた。
(........やっぱり、スカートだよな...。)
黒いマントにスカート。
ミルス・クレアの女子生徒にすれば
当たり前の格好だが
ノエインは違った。
黒いマントを羽織り、
黒いショートパンツにロングブーツを履いている。
(私には、あんなひらひらしたスカート、
履く勇気ないって！)
基本、ミルス・クレアの女子生徒は
スカートなのだろうが
それを履くこと事態に昔から抵抗がある
ノエインは周りを見なかったことにし、
再び、目的地へと目を向けるのだった。