sunny spot

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もっと美しい女はこの世にいくらでもいる。
もっと愛想のいい女もこの世にいくらでもいる。

でもどうして

どうしてこの人は

こんな俺にこんなに良くしてくれるんだろう


こんなに必死な顔で
こんなに縋り付くような顔で

俺に手を貸そうとしてくれるんだろう。



気に入った?
好いてくれた?


それもあるだろうけど


どちらかというと、
執着、というか


俺が不幸になることを、恐れている、というか


まるで



誰かと
重ねている、ようで。
















「親父を狙ってます!!!!20人はいます!!!!ここに乗り込んできます!!!!にげてくださいぃぃぃいいいい!!!」



誰が、とか
何のために、とか

何にも分からないアタマの悪い報告だったが
とりあえず危機が迫っていることだけは分かった。


「チッ、蓮チャン、行くで!」


真島さんは俺の手を引いて、VIPルームを出る。



「親父!!」

待ち構えていた南さんが、真島さんに駆け寄る


「どういうこっちゃ南!」
「分かんねぇッス!!でも真島組もこっちに向かってます!でも間に合わねぇッス!!
裏口から逃げてください!!」
「…っせやけど…っ!!」



真島さんが躊躇したのは、きっと自分がいなくなった後のこの店のことだ。

敵が到着してから真島組が来るまでの間
確実にこの店はめちゃくちゃになる。
それを憂いているのだろう。



しかし、そんな躊躇もつかの間
けたたましい音と共に、男たちがなだれ込んできた。




「見つけたぜ、真島ァ!!」



正面じゃない、裏口からだった。
身を隠していた場所は、運悪く裏口からは丸見えで。





「…っ南!お前その子を連れて逃げ!!」
「親…っ」
「はよせえ!!」


真島さんは叫ぶと同時に腰からナイフを取り出して、先頭の男に斬りかかった。

先頭の男が倒れたことで
みんなが怯んで、総崩れになる。


だが、
鉄砲もナイフも所持している、
そして自分たちが多数派だと余裕を持っている男たちは

すぐに立ち上がって

真島さんに、銃を向けた






ーーーーーー真島さんが、危ない
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