あさき夢

□平助の励まし
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これは、私が新選組屯所に来て父様捜しを始めて間もない頃の話ーー。



夜、私は庭に出て考え事をしていた。


(父様、どこにいるんだろう…
元気でやってるのかな)


「はあ〜…」

私は思わずため息をついてしまっていた。


中々捜せずにいた父様を最近やっとお許しが出て捜せるようになったというものの、父様の手がかりは一向に掴めない。


(このまま父様が見つからなかったらどうしよう…)


私がそんなことを考えていた時、後ろから足音が聞こえ振り向くと


「おう、## 名前変換 ##
何してんだ、そんなとこで」


平助君がそう言って私の隣にやってきた。


「平助君…
うん、ちょっと考え事してたの」


「考え事?」


「…私、父様の手がかりが全然掴めなくて、父様は京にいないのかもとか、色々考えちゃって…」


「そっか…」


平助君は、なぜか急に大人しくなり、何かを考え込んでいる様子だった。


「…平助君?
どうしたの?」


私は心配になり、平助君の顔を覗き込む。


すると平助君は、なぜか歯切れの悪い口調で
「あのさ、 ## 名前変換 ##。
ごめんな。お前が早く綱道さん捜したがってるの知ってたのにちゃんと捜せるようになるまで時間かかっちまったし、綱道さん、見つけてやれなくて…」


「そんな、平助君達のせいじゃないよ…」


私がそう言うと
「…って、あー、もう、こういうことが言いたかったんじゃなくて……
## 名前変換 ##!」


「な、何っ?
平助君?」


いきなり平助君が大声を出したのでびっくりしてつい私の声も大きくなってしまう。


平助君は、言葉を慎重に選びながら
「あ、あのさ、俺が言いたかったのは、お前に元気だせってことで…」


平助君は、少し恥ずかしそうに言う


「平助君…?」


「そんな心配すんなって!
俺が綱道さん、見つけてやるから」


「うん、でも…
これだけ捜しても見つからないんだし」


私がそう言うと


「何言ってんだよ。
まだ始めたばっかじゃねえかよ。
それに ## 名前変換 ##らしくねえな。
この前近藤さんに剣の稽古してもらってた時なんて、すっげー真剣にやってて…」


「平助君、見てたの?」


「あ、いや、巡察の帰りに見かけてさ…」


「そうなんだ…」


すると平助君は、いきなり私の手を掴み

「 ## 名前変換 ##、ちょっと散歩しねえ?」


「え、え?
平助君…ちょっと」


私は、呆然としたまま平助君に連れて行かれる


「でもいいの?
こんな時間に屯所を出たりして」


「ちょっと散歩するくらいだから大丈夫だろ」


私達は、そのまま屯所の周りを一周し戻って来る。


「よし、着いたな!」


「うん、そろそろ寝ないとね」


私は、平助君にそう答え、部屋に戻ろうとすると

「 ## 名前変換 ##、おやすみ」


平助君は笑顔でそう言う。


「…うん、おやすみ平助君」


私も笑顔でそう答え、部屋に戻って行く。

散歩中、平助君はずっと私の手を握ったまま歩いていた。

私はなぜかそれにすごく安心して、屯所に戻る頃には父様のこととか悩んでたことが頭から消えていた。


(平助君、私を励まそうとしてくれたのかな…)


そう思うと思わず笑顔になり、私は幸せな気持ちで布団に入ったのだった。



              fin

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