lilac 2

□箒星
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「……僕に何か用でも?」
「ん?勉強しに来ただけだよ」
ナマエは変身術の教科書を閉じようとした。
「あっ、そ、そうなのかい!奇遇だね!!僕は変身術が得意なんだ……!」
「アシュトン、静かにしないと怒られるよ」
リーマスが耐え切れず注意をすると、エルヴィスも頷いた。
「女子と話す時、アシュトンは別人になりがちなんだ。怒られて追い出される前に外で勉強することにするよ」
エルヴィスはアシュトンを連れて図書館を後にした。
「不思議な感じだよね、アシュトンって」
「レイブンクローって変わり者が多いって聞くもんね」
リーマスの言葉に大きく頷くピーター。嵐のような彼に呆然としているようだった。

時計の長針が2周ほど回った頃、3人は本日の勉強を終えて寮に戻ることにした。夢の世界に飛び立ってしまったピーターをリーマスが起こす。
「僕、教科書を開くと瞼が閉じちゃうみたいなんだ」
図書館を出ると、ピーターが自虐気味に言った。
「それはつらい病だね」
リーマスも少し眠かったのだろう。欠伸を噛み殺しながら笑った。
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