lilac

□授業
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「ナマエ!朝よ!」
ナマエはその声で目が覚めた。
「んー……」
目を薄く開けると目の前にはリリー。
「ほら、早く行かないと!朝食なくなっちゃうわよ!」
リリーはにやりと笑ってそう言うと、寝室を出ていった。ナマエはぼーっとした頭で着替えて談話室までおりた。すると、談話室ではリーマスがジェームズとシリウスと談笑していた。

「あ、ナマエおはよう」
リーマスはナマエに気づくと駆け寄る。
「おはよう」
「朝食行こうか」
ジェームズ達と別れ、二人は寮を出ると、階段をくだって大広間へ向かう。
ぼーっとしていると大広間に辿り着けないので、タイミングよく階段をくだった。

「ナマエ、ジェームズたちってすごく面白いんだ!今日の朝、話してたんだけど……」
リーマスはずっと嬉しそうに話し続けている。
やはり自分といるよりもジェームズ達といる方が断然楽しいのだろうとナマエは思った。親友になるわけだから、全然不思議なことではないが少しジェームズ達が羨ましい。

「ナマエ?」
リーマスはぼーっとしているナマエを心配そうに覗き込んだ。
「……あ、ごめんね。よかったね!」
「うん、それでね!ナマエが面白いってジェームズ達にも話したんだ。
……それと、僕の初めてできた大切な友達だって」
そう言ってリーマスはナマエに笑いかけた。何か熱いものがナマエの心に溢れる。
「……リーマス……
私も!」
ナマエはリーマスに微笑み返した。二人は大広間に入り、グリフィンドールのテーブルの空いている席に座ると、朝食を食べ始めた。


朝食のときにマクゴナガル先生は時間割を配った。
「今日って何の授業があるのかなー?」
ナマエはトーストにイチゴジャムを塗りながらリーマスに聞いた。

「えーっと……薬草学、変身術、魔法史、魔法薬学……だね」
「ん、ありがとー」
二人は朝食を食べ終えると、荷物を寮に取りに行ってから温室に向かう。


ハッフルパフと合同の授業だ。
スプラウト先生は一年生に薬草学についての説明を簡単にすると、剪定作業をさせた。
「あ、君って入学式で倒れた……」
隣で剪定作業をしていたハッフルパフの男の子に話しかけられる。
「……ナマエ•ミョウジ、よろしくね」
そんな覚え方をされていると思うと、恥ずかしいやら情けないやらで微妙な顔をしてしまう。やはり失神女、という認識のようだ。
「あ、舟!一緒に乗ったよね!僕たち」
「ん……?……あぁ!ホグワーツに来るまでの舟で一緒だった……!」
あの時は暗くて、あまり顔が分からなかった。輝く金髪に茶色い瞳が特徴的な少年だ。背はナマエより幾分か小さい。
「僕はエルヴィス•ケイン、よろしくね。昨日もう一人、一緒に乗ったのはレイブンクローのアシュトンだよ」
「エルヴィス、それにアシュトン、ね!よろしく」
感じが良く、十一歳にしては紳士的な彼。いい友達ができた、ナマエはそう思った。



次の授業は変身術だ。
「うわぁぁぁぁぁあ!」
「ナマエ!次の曲がり角ってどっち?」
ナマエとリーマスは教室を目指して校内を走り回っていた。


夏休みの間ホグワーツを隅々まで探検したため割と道はわかっているつもりだったが、今の状況を見る限り分かったつもりに過ぎなかったようだ。


「うーん……分からない!!
よし、曲がっちゃえ!」
開始時間までに到着することを、ほとんど諦めていたのでナマエは適当に右に曲がった。

「あ!あった!」
すると目の前には変身術の教室。
「……リーマス、わたし達は奇跡にこの教室に巡り会えたようだ……!」

二人は教室の後ろのほうの席に座った。前にはジェームズ、シリウス。隣にはピーターが座っている。


マクゴナガル先生が教室に入ってくると、ガヤガヤ騒いでいた生徒たちは水を打ったように静かになった。

「変身術はホグワーツで学ぶ魔法の中で最も複雑で危険なものの一つです。
いい加減な態度で私の授業を受ける生徒は出ていってもらいますし、二度とクラスには入れません。初めから警告しておきます」
それから先生は机を豚に変え、また元の姿に戻して見せた。生徒たちは感激の声を漏らしている。ナマエもその一人だ。もう少し前の席に座れば良かったと後悔していた。
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