lilac 2

□初恋
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夏といえば何を思い浮かべるか人それぞれだろう。
青い空。暑い日差し。サングラス。麦わら帽子。
ナマエは熱い砂浜で淡い水色の膝丈のワンピースを着て、麦わら帽子を被り、青い空を見渡した。
「海だーー!」
ナマエの隣をジェームズが海パン姿で駆けていく。続いてシリウス、ピーターとあとを追った。
ナマエは持ってきていたカメラで景色を撮り、その後にはしゃぐ3人を撮す。
「ナマエ、今日は私が撮ってあげるよ」
おじさんはそう言うと、ナマエの首にかかっていたカメラを受け取った。


夏休みも終盤にさしかかり、悪戯仕掛け人の5人はジェームズの両親に連れられて海に来たのだ。
「あまり遠くまで行かないでくださいねー」
おばさんの呼びかけに3人は元気よく返事をした。
ナマエはおじさんとリーマスと共にパラソルを立て、レジャーシートを敷く。
「ナマエ、水着じゃなくて良かったのかい?」
おじさんが穏やかに聞いた。
「うん」
遠くでジェームズがシリウスを海に投げた。
ナマエはパラソルの下で日焼け止めを顔、腕、脚、首に塗る。泳げないわけではないが、今日は泳ぐつもりはない。
「リーマス、体調は大丈夫?」
「元気だよ」
同じくリーマスもパラソルの下にいる。彼の場合は身体に満月の日に付けた傷が多く、隠すためにシャツに半ズボンといった格好だ。
「ナマエ、リーマス!浅瀬で遊ぼう!ジェームズとシリウスも待ってるよ!」
ピーターがニコニコと走りながら呼びかけてくる。(その直後、彼は海に投げられた。)
「今行くー!リーマス、行こう!」
ナマエはリーマスの腕を引いた。





足元の水がナマエに光を反射してキラキラと輝く。リーマスは顔に熱が集まるのを感じた。夏の日差しのせいか、今日はとても暑い。
「ナマエ、今日の格好……」
「ん?」
リーマスとナマエが話していると、シリウスはナマエの後ろから容赦なく海水をかけた。
「後ろがガラ空きだぞ!」
ナマエは濡れた髪の毛を絞ると、シリウスに向けて海水を蹴りあげた。
「やったなー!!」
その時、跳ねた水がリーマスの火照った顔にかかる。
「リーマス!ボールで遊ぼう!」
ジェームズがリーマスの腕を引いた。
「……うん!」
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