lilac 2

□Lady
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なかなか眠れず、ナマエはベッドの上で無駄に寝返りを打っていた。毎日遊びすぎて寝不足気味なせいか、少し頭が重く感じる。しかし、人間とは強く眠ろうと考えれば考えるほど眠れなくなる生き物だ。
「……本でも読もうかな」
そんな時にはいっそ諦めると眠くなると聞いたことがある。ナマエはふかふかのベッドから起き上がると、部屋にある本棚から本を1冊拝借した。



今年の夏もポッター家に世話になりに来て、約1ヶ月が経とうとしている。ホグワーツでの生活も楽しいが、ここでの生活もナマエにとっては、今までの家族の時間の埋め合わせかのような楽しさを感じている。
元の世界に戻ったら母親とこのように暮らしたい、いつからかそのような希望を持つようにもなった。

「……ん?」
月明かりが突如として消え、ナマエは月光の差し込んでいた窓を見た。近づいてみると、大きくて立派なフクロウが窓の外に翼を広げて佇んでいた。そっと窓を開けると、フクロウは荷物のついた自身の脚をナマエに差し出す。
荷物を受け取り、近くにあったフクロウ用の餌を与えて頭を撫でると満足したのか、大きな翼を広げて半月の空に飛び立って行った。


「何だろう、こんな時間に」
包みを開けると、その中には手紙と小さなプレゼントボックスの様なものが入っていた。
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