lilac 2

□勝利の女神
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「みな、また新学期に会えるのを楽しみにしておる」
ダンブルドアの挨拶が終わると、大広間の天井に向かってたくさんの帽子が舞った。

グリフィンドールのクィディッチチームはみんなで入り乱れて抱き合った。
「よかった!本当によかった!!俺がキャプテンになって初めての優勝だ!!」
アレックスは半泣きでバジルに抱きつく。
「これで、コーディは悔いなく卒業できるね」
バジルはいつもより少し柔らかい表情で眼鏡をかけ直す。
「ありがとう、みんな」
初めて彼が言葉を口にしたところを見た、ナマエは心の中で呟いた。
そう、優勝したのだ。
ジェームズとシリウスはもう減点されることもないと安心しきっているようで大広間で花火を打ち上げている。面白くないスリザリンの生徒達は悔しさのあまり打ち上がった花火を攻撃していた。しかし何人かは花火に返り討ちにあったようで、顔が煤まみれになっている。
「初めてよ!私がチームに入ってから!」
メリッサも感極まって目が潤んでいる。
アレックスは優勝杯を我が子のように抱え撫で回していた。
「嬉しいね!」
ナマエはメリッサと抱きしめ合いながら喜んだ。
「あなたが入ってからチームに統一感が出た気がするの!」
「そうだな!今までジェームズとシリウスの扱い方が俺らには分かってなかったから!ありがとうナマエ!」
アレックスの熱い抱擁にナマエは咳き込む。
アイリーンが引き剥がしてくれなければ窒息死していたかもしれない。
「来年は一緒に頑張ろうね!」
アイリーンとも抱きしめ合う。彼女はやっと来年から選手として戦うことができる。ナマエも同級生の女子が選手に増えて嬉しかった。
「ナマエ!おめでとう!!」
「ありがとう、リリー!」
リリーが抱きついてきた時、彼女の肩越しにスネイプの恨めしそうな顔が見えたので思わず笑ってしまった。
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