作品2

□HAPPY BIRTHDAY
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どこにいるの。何をしているの。私を見つけて。お前さんの事を忘れると思うのかい。そう言って私の髪を撫でた優しい指先で、今度は私の涙を拭ってよ。もう随分待った、あの別れから今世。
窓際で古書を読めば懐かしい。ふわりと空気が揺れて空間が揺れて。十月の秋風に乗せたのは季節外れな桜の花弁。
ゆらり目線で追えば、大好きな匂いが鼻腔を擽る。
「もう、待ちくたびれたかい?」
「そう思うなら早く、」
【抱き締めて】



Presented by まい
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