作品2
□HAPPY BIRTHDAY
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『イゾウさん』
と幸せそうに笑う、俺が添い遂げたいと願った女。
そいつにゃ自由がなかった。どうこうしてやれるほど、自分に力もなかった。
だから、必ず迎えに来ると言い訳し、泣きそうなあいつを残して島を出た。
今も俺を覚えているだろうか?
手前勝手な話だが、俺はやっぱりお前が欲しい。
島では祝い事があるらしい。
俺にとってもめでたい日。多少のわがままはいいだろう?
今更迎えに来た俺を、遅いとあの笑顔で迎えておくれ。
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