dream novel

□誕生日プレゼント
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「わっすれもの〜……ん?なにやってるん?」

男は、急いでその場から逃げ去り
その彼はこちらに寄って、
優しく身体を起こしてくれた。

「大丈夫?」

『ぅ……うぅ…』

「なんや、酷いことされたな…」

私は彼に抱きついた…
そうすると彼も優しく抱き返した。

「辛かったな…大丈夫や…もう安心せぇ」

『は、はい…』

「ったく…ボタンがしっちゃかめっちゃかやんか…」

腕を離し、下に落ちているボタンを拾い始める彼

「ほい、これ…」

『どうも…』

「月野さんって言うよな?」

『え、どうして…』

「俺クラス一緒やで」

『うそっ!すみません…』

「ええのええの、僕よくあることやねん。」

『そっかぁ…』

「僕、安田章大。よろしく」

『月野雫です…ほんとすみません。』

「ったく…ボタンどないする?」

『私不器用で…付けてもらえますか?』

「え…あ、おん……」

私は机に座り彼は、前の椅子に座る…
はっきり、この格好恥ずかしいはずなのに、その時は何の恥じらいもなかった…

栗毛色の髪が胸の前に…
ってか、男子なのに裁縫できるんだ…

そんなところにさえ、胸が苦しくなるぐらい惹かれた。

「なぁ、月野さん?」と見上げる彼にまた赤面してる。

「どうかした?」

『だ、大丈夫…です///』

「ボタン一つ足りひんねんけど…」

『あ、予備ボタンありますよ!』

私は胸ポッケに入っている小さなポーチを開け、ボタンを渡した。

「あともうちょいやからな…」

『すみません…』

「うしっ、終わったww」と見上げた彼…

私は愛おしくて仕方がなかった

ちゅっ…

「…ん///」

『ありがとうございました。』

「あ、はぃ…」

ボタンを付け、身だしなみを整え
また深くお辞儀をしてその場を去った。
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