Library wars【short】
□少女の過去と秘密の話
3ページ/4ページ
日野図書館
それが私の家からも、高校からも
一番近い図書館だ。
あまりに毎日行っているので
業務部の少しの人間には顔を覚えてもらえていた。
もちろん、こっちも業務部の顔くらいなら覚える。
前から、嫌なくらいに記憶力は良かった。
ある日のこと。
いつものように、放課後に図書館に行っていた。
悪夢はその日に起きた。
「我々は良化法に賛同する団体である!」
火炎放射器に銃
それらは恐怖の固まりでしかなかった。
次々に本と人間が焼かれていく光景。
金縛りのような感覚に
私は動くことが出来なかった。
その時だった。
私の体が急に浮いた。
と思っていたら、図書館の入り口にたどり着いていた。
図書隊の制服を着ていた。
ただ、その記憶しかない。
けれども、その人は私を命懸けで救ってくれた。
周りから必要とされない私を。