Library wars【short】
□少女の過去と秘密の話
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私__一ノ瀬麗華は、完全なる都会育ちであり
完全なる現代人である、と
自分自身が一番理解している…と思う。
運良くも悪くも、周りより顔が整って生まれ
周りより少し恵まれた環境に育ち
他人から常に目を引いてしまうような存在だった。
もちろん、いまどきの中学生、高校生がそれで許すはずもなく
中学に上がった頃からいじめが起きていた。
中学から高校になるにつれて、いじめはエスカレートし
常に周りからは“存在しないもの”として扱われた。
存在しないならまだ良かったかもしれない。
存在するが、人権がなかったと言えるだろう。
そんな私の唯一の逃げ場所は
図書館だった。