3時のおやつ
□エクスタシスト
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「はぁ〜。やっぱり良いなぁ、これ」
iPhoneを両手で胸に抱きしめ、しばし余韻に浸る。
「愛蘭ー!ん?顔が緩んでるよ?
もしかしてまた、あれ?」
「あ〜。愛蘭が好きなエクスタシストっていうTwitterのbot?
作ってるのが確か・・・koma'nくんだっけ?」
余韻をぶち壊すかのように、私の幼馴染たちは話しかけてくる。
「今、余韻に浸ってるのー。邪魔しないでよー」
私が今、見ていたのは大好きなkoma'nくんが書いてるエクスタシストっていう妄想アカウントのツイート。
皆には理解されないけど、私はこういうのに憧れを持ったりしてる。
意外とロマンチストなんですよ、私は。
「私もエクスタシスト見たけど愛蘭が言うトキメキは感じなかったよ?」
「ただのkoma'nくんの性癖を知りましたって感じ」
確かに、こまちんは特殊というか掴みどころのない人だけど、
音楽の才能も凄いし、それにこんな文章がぽんぽん出てきてしまうんだから、
本当に色々なことに電波を張っているんだろうなって尊敬するし、
表現力や感情が豊かなんだと思う。
こういうことも私がエクスタシストが好きな要因の一つ。
「ほら、愛蘭がおススメしてたコーヒーとスフレ冷めるよ?」
うっかりしてた。
今日は最近、一押しなカフェに来て、美味しいコーヒーとふわふわスフレを食べに来たんだった。