3時のおやつ

□Catch Me
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12月。
冬の寒さが本格的にやってくる季節。

今日は高校の中間テスト最終日。
テスト終了を知らせるチャイムが鳴り響く。


「愛蘭、最後の時事問題のとこできた?」

「ううん、全く」

「こてんぱんにされたよねー。もう死亡フラグやばいから遊びにいこ!」

「うん!そうしよっか!嫌なことは遊んで忘れるのが一番!」

「ま、その後に現実突きつけられて泣きたくなるんだけどねー」

「もう、柚子ってばー」


私達は、急いで帰りの支度をして遊びに行こうと教室を出ると、廊下が騒がしいことに気が付く。


「なんか廊下、騒がしいね」

「何かあったのかな?皆、校門の方を向いてるよね」

「どれどれー。あれ?!」

「柚子?どうしたの?」

「あの校門のとこにいる人って愛蘭の彼氏じゃない?」

「えっ?!」


目を凝らして校門の前にいる人を見てみると、それは紛れもなく私の彼氏で・・・。

携帯を見てみると既に着信が4件。
留守電が1件。
どれも彼によるもの。


【テストお疲れ様。急に仕事なくなったからテスト終了祝いにデートしようと思ってさ。校門のとこにいるから、終わったらおいで。】


彼はきっと連日の仕事で疲れているのに、わざわざ私に会いに来てくれたことが嬉しくてたまらなかった。


「ごめん!!柚子!」

「うん、いってらっしゃい!遊ぶのなんていつでも出来るんだしね!」


柚子の声を背に受けながら、私は全力で廊下を走る。


大好きな彼のもとへ。
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