dream

□第6話
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大爆笑していた御幸先輩はやっと落ち着いたようで過呼吸気味になりながら目尻の涙を拭った。

御「お前おもしれぇな。気に入った!」
『っ!!』

御幸先輩の意外な言葉にビックリしていると「ハハッ」と小さく笑って、そのまま両手を後頭部の後ろで組むとそのまま歩き出した。
慌ててその後ろを追いかける。

御「で、子猫ちゃんは電車通?」
『あ、いえ。徒歩で15分くらいの所です。』
御「ふ〜ん近くなんだ?元々地元?」
『いえ、実家は遠くて。今はアパートに一人暮らしです。』
御「は?一人暮らし??大丈夫なのか?」

驚いた顔で振り向いた御幸先輩に首を傾げる。

『今のところ楽しいです。』
御「でも家事とか大変じゃね?」
『あ〜……まぁ嫌いじゃない方なので。』
御「ふ〜ん、意外と家庭的なのか。」
『あ、料理は好きですよ!』
御「おっ!得意料理は何?」
『ハンバーグとかオムライスとか……あ、チャーハンや煮込み系も好きです。』
御「おぉ!結構やってそうだな。」
『食べるのが好きなんで♪』

えへっ♪と笑うとニッと笑われた。

御「でも女の子の一人暮らしは何かと心配だからな。ちゃんと気を付けろよ?」
『???』
御「戸締まりとか、夜の外出とかな。」
『あぁなるほど!』
御「子猫ちゃんはどっか抜けてる所あるからな〜。」
『え、大丈夫ですよっ!意外としっかりしてます!!』
御「いやいや〜学校で迷子になるくらいだからな(笑)」
『あれは……。まだ慣れないからです!!!』

バツが悪くて尻すぼみ気味に発した言葉に御幸先輩がククッと笑ったので頬を膨らませて御幸先輩を見た。

御「ハハッすげぇ頬袋。」

御幸先輩は膨らんだ私の頬に両手で触れると指に力を入れて頬の空気を押し出す。
思わぬ行動に真っ赤になると同時に頬の空気が抜けるマヌケな音がした。

『なっっ///』
御「どんだけ餌詰め込んでんだよ(笑)」
『え、餌なんて詰め込んでませんっ///』
御「ハムスターやリスならわかるけど子猫に頬袋があるとはな。」
『だから、ハムスターでもリスでも子猫でも違いますからっ///』
御「んじゃ、タコかフグか?」
『どっちも違いますっ!!』

少しムキになるとニッと笑ったまま頭を撫でられた。

御「まぁ、お前は俺が拾った子猫ちゃんだからな♪」

何故か満足そうな表情の御幸先輩に何も言えなくなる。
ご機嫌そうな御幸先輩は「ほら、行くぞ」と言って歩き出した。

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