君が好き
□鎖の理由
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歩くたびに音をたてる足の鎖。
歩きづらいけど、外してもらいたくない。
……Mじゃないからね!!
威「那魏都〜!!」
「団長さん、痛いです……。」
団長さんの力はやっぱり強くて、体が砕けてしまいそうになる。
それでも…笑顔だ。
「お仕事はいいんですか?」
威「阿伏兔に押しつけてきたからネ♪」
「そうですか。」
暇でいいな、この人は。
私は団員全員に挨拶をしなくちゃいけないのに。
威「挨拶周りなら一緒に行くヨ!!」
「……はい。」
我慢すれば、故郷に帰れるんだ。
それまでの辛抱だよね。我慢して早く帰らなきゃ。
団「うわっ、新入り?」
団「めちゃくちゃ可愛いじゃん!!」
「あの、その……。」
威「俺のオモチャ♪手だしたら殺しちゃうゾ★」
そんな綺麗な笑顔で言わなくてもと思うのは私だけ?
とにかく、次いこう。
団「可愛い女の子!!よろしくね!」
団「団長の女なの?!」
なんて疲れるんだろう。
たくさんいすぎて困るよ……。あ、
団長さんは…?
「不機嫌ですね。」
威「那魏都、モテすぎ。」
「皆さん、私が珍しいのかな。」
ふいに手をとられた。
振り向くと、驚いて私を見つめる団長さん。
威「自覚ないの……?!」
「はぁ……?なんの自覚ですか?」
威「天然なのか……!!!!!!!」
頭を抱え込む団長さんはほっとこう。意味が分からないし。
チャリ…とペンダントが揺れた。
那衣都と色違いの宝物。
「それでは、失礼します。部屋に戻ります。」
威「………あのペンダント……。俺が預かってるのと同じ?」