BW マリオネット

□赤髪の少年
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ライモンシティは、予想以上の混乱模様だった。
停電だけではなく何かから逃げるように、統率の取れない人の群れは、しかし、1つの方向へと向かっていた。
チェレンとベルは人波をかき分けるようにしてNを探す。
「N!どこだ!?」
「いたら返事してぇ!!」
こんな人混みの中では努力も虚しく、Nの見つかる気配は一向に無い。
それどころか、チェレンとベルの間も少しずつ開いていっている。
最後のきっかけは、他の分かれ道から来た子供が転んだことであった。
手を差しのべようとしたベルが完全に人に飲まれ、流されていってしまったのだ。
「ベルッ!!」
伸ばした手はぎりぎりで届くことなく空を掻く。
だが、チェレンまで人混みに流される訳にはいかない。
チェレンは再び、波に抗って進み始めた。
 

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