BW マリオネット

□胎動
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そのニュースが世間を騒がせ始めたのはチェレンが帰ってきてから数日後。
テレビからよく聞くようなアナウンサーの声が聞こえてくる。
『こちら、ライモンシティです。家の電気は勿論、遊園地も動いていません。』
『一体何が原因で停電しているのかは不明、引き続き調査を続ける、とのことです。』
瞬間、画面の端に見覚えのある緑髪が映った。
「…今のっ」
チェレンは思わず身を乗り出し、大声で言った。
「Nだ!何で今ライモンシティに…?」
その声に、ベルもテレビの前に走ってくる。
「ホントっ?」
「本当だよ、見間違いじゃない。…もしかしたら、Nならトウヤのこと何か知ってるかもしれない。」
「うん、そうだね。じゃあ、早くライモンシティに行こうよっ!」
ドタドタと階段を駆け降りる音が響き、カノコタウンからライモンシティへ2体の鳥ポケモンが飛び立った。






「うん、ライモンシティで…?君と話せる人に会ったんだね?それから、騒ぎが起こってるから逃げてきた、と…。」
その少年は、さも当たり前のように一体のチラーミィと話していた。
「緑色の髪の男の子…。気になるな。それに、騒ぎのことも…。」
少年が立ち上がる。
一房の赤髪がゆらりと揺れた。
「ありがとう、チラーミィ。またね…。」
 

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