long dream@
□風使い陣
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「…10!勝者桑原!」
「バ…カ…な…」
小兎に場外10カウントをとられた吏将は、まさかの敗北に精神的にも大打撃を受けたようである。
『浦飯チーム準決勝進出決定!準決勝に向けての連絡事項があるので、浦飯チームの皆さんと観客席の方々はまだ残っていて下さい』
スピーカーから本部によるアナウンスが流れた。
「なんだろ、連絡事項って…」
首をかしげる未来。
「次の対戦相手とか、試合日の連絡とかじゃねーの?」
戦いの疲労から、幽助はふあ、とあくびをかく。
瑠架は自分の役目は終わったと、飛影に殺される前に結界を解き一目散にどこかへ去っていった。
ふと、未来は闘技場の隅でまだしんどそうにしている凍矢の姿が目に入った。
「凍矢ー!」
幽助にふっとばされていた陣がいつの間にか地上に降り、彼に駆けていく。
「行ってやれよ」
未来の気持ちを察した幽助は、ニッと笑うと陣と凍矢がいる方向を顎でしゃくった。
「…うん」
未来は二人の元へ足を運んだ。
「未来!」
陣は自分たちのところへ近づいてきた彼女の名前を呼ぶ。
「陣、凍矢。私、妖力を回復させることならできるから…」
未来は二人に聖光気弾を当てた。
「すっげ〜!未来はこんなことできるのか?サンキューな!」
「陣の能力に比べたら、大したことないよ」
「未来、すまない。ありがとう。どうして敵であるオレたちに?」
「私をこの闘技場まで連れてきてくれたお礼、かな!それに、もう試合は終わったんだから敵じゃないよ」
不可解そうに尋ねた凍矢に、未来はニコッと笑って言った。