long dream@


□風使い陣
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「うおぉおぉ!」


果敢に吏将へ向かって走る桑原。


(チクショー先にいくぜ…くたばる前に…もう一度だけ…)


死を覚悟した彼が思ったのは、想いを寄せるあの人。




「ばかな…どこにあんな力が」

「奴め、本当に死ぬ気か」

「やだ、死んじゃやだよ!」

「桑原ァア!!」


蔵馬、飛影、未来、幽助が息を飲んだその時。




「和真さん!!」




桑原の耳に届いた一声。




「雪菜さん!!」




観客席に発見した想い人の姿に、桑原は目を輝かせる。



「貴様どこを見ている!」


よそ見をしている桑原に、対戦相手の吏将は拳を振るったが。



「てめーはどいてろ!!!」



桑原の鉄拳により、吏将は遥か彼方の観客席上部へふっとばされた。



「雪菜さんっっ!!来てくれたんスか!!」


「和真さん大丈夫ですかー?」


「ワハハハ全っ然平気ですよ!!」



吏将を完全無視して会話する雪菜と桑原。



「な…なんなんだあいつは…」


幽助は感心を通り越して呆れている。


「あはっあははは桑ちゃん最高ーー!!」


未来は堰をきったように豪快に笑いはじめた。


「桑ちゃんには私の聖光気なんかなくても、雪菜ちゃんがいるだけでパワーアップできちゃうみたいだね」


笑顔で隣の蔵馬に話しかけた未来。


「だ、そうですよ。飛影」


蔵馬が雪菜の兄である飛影をからかうように言った。


「愛の力ですね〜」


不意うちのジョルジュ早乙女の発言が飛影の顔をよりしかめさせたのは、言うまでもない。


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