long dream@
□win or lose
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「未来ー!ワリイけど勝たせてもらうだよー!」
「なっ…幽助が勝つもん!」
突然上空から叫んだ陣に、浦飯チーム側の未来は言い返す。
飛影は未来にちょくちょく馴れ馴れしく話しかけてくる陣が気にいらず、露骨に不機嫌そうな顔をしていた。
蔵馬はそれを見て、飛影の未来に対する特別な感情の存在を改めて確信するのだった。
(飛影自身はきっと…気づいていないだろう)
このまま気づかないでいてくれたら、己にとっては都合が良いのかもしれない。
チームメイトに抱くものとしてはあまりにも身勝手な心の声には、聞こえなかったフリをして蔵馬はまた空を見上げた。
見上げた先、空中では陣が両腕をぐるんぐるんと勢いよく回している。
「霊丸封じ第2弾だべ」
陣は今度は右腕だけでなく、両腕に竜巻を作りだしていた。
一気にカタをつけるつもりなのだろう。
片腕でしか撃てない霊丸では対抗できない。
幽助がとった策は…
「何!?あの構え」
幽助がとったのは、未来が今まで見たことのない構えである。
腰を低くして右の拳に力をためているようだ。
「あの技をやる気か」
解説役をかってでたのは覆面。
「指一点に集中する霊丸に対し、あの技は全身の霊気をフルパワーで高めてやる技で相当な霊力を消耗する。失敗すれば力尽きた幽助には勝ち目はないだろう」
「陣に勝つ方法はもうそれしかないとはいえ…根っからの博打好きですね」
彼らしい選択だ、と蔵馬。
「そこまで幽助を追いつめることができるほどの強さ…」
陣の底知れぬ強さを感じ、未来は息をのむ。
これからの二人の一騎打ちに、緊張がはしる。
「勝負だー!」
両腕に修羅旋風拳で竜巻をまとった陣が、猛スピードで幽助に向かってきた。