long dream@
□win or lose
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陣が急降下してくるが、幽助は何の構えもとらず、ただ立ちつくしている。
「浦飯選手、微動だにしません!まさか覚悟を決めたのかー!?」
小兎が叫び、そのまま修羅旋風拳をまとった陣のパンチを幽助はくらうかと思われたが…
「さあどっちがタフかな!?」
「!!」
陣が幽助の狙いに気づいた時にはもう遅かった。
カッと閃光がはしり、衝撃波で二人がいたところから爆風が渦巻く。
「幽助、霊丸を撃ったの!?」
風で乱れた髪を直しながら、未来が尋ねる。
「そう。奴がパンチをくりだす瞬間、敵に接触して撃つ霊丸だ」
“カケ”の正体はこれだ。
飛影が未来にうなずいた。
「あ!幽助!」
「くそっ しくじったか…!」
その時、未来はテントそばにふっ飛ばされ、悔しがっている幽助を発見した。
「陣はまた上か…」
蔵馬は空中にいる陣を見、彼の手強さを痛感する。
「あぶねーあぶねー。直撃くらったらやばかっただな〜」
幽助とは対照的に、ケロリとしている陣である。
「飛影、また解説お願いします!何が起こったの?」
「霊丸と旋風拳が激突する瞬間ヤツは逃げることを考えなかった。突風を上昇気流のように操り、衝撃波の方向を変えることでダメージを最小におさえた」
淡々と未来に述べた飛影。
「百戦錬磨というやつだ。キャリアが違うな。幽助、あの拳をおさえて勝つ方法は何かあるのか」
「ねェ!だが終わるまでわかんねーぜ!」
「ないんかい…」
即答した幽助に、未来は少しズッコケる。飛影も同様。蔵馬は苦笑い。
「…お前らの勝ち負けなどどうでもいいが、ただつっ立ってるのも飽きてきた」
だんだんと復活してきた飛影の妖力に気づいていた瑠架は、彼の言葉を聞きぴくっと肩を反応させる。
「先に言っておくぞ。お前が負けたら次はオレがやる。ルールなんぞくそくらえだ。文句のある奴は殺す」
飛影はそこで一置きすると、いかにも愉快げに笑みを浮かべ…。
「皆殺しだ」
さらっと一言。
「ひ、飛影もルールに文句言い隊に入るの…?」
平然と言ってのけた飛影の発言の恐ろしさを緩和させようと、未来は現在隊員彼女一名である隊を即興で作った。
瑠架はといえば大量の汗をかき、ガクガクと震えている。
彼女は知っているのだ。
復活した飛影の妖力にかかれば術師もろともこの結界を消し去れることを…。
「7、8、9…」
幽助は審判小兎のカウントギリギリでリングの上に戻った。
「まかせとけ。2回戦はオレでケリをつける」
幽助は陣、そして吏将を自分で倒すことを宣言する。
「お でかくでただな。次のこと考えたらオレは倒せねーぞ」
空中の陣が幽助の強気な発言に、愉快そうにふふんと笑う。