long dream@


□光
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「やったぜーまず一匹ィ!」
「残りの奴らもぶっ殺しちまえー!」


蔵馬の死を確信し、盛り上がる会場。


「蔵馬…嘘…」


目の前が真っ暗になった未来。


蔵馬だけを見つめ、座り込んでいた体を無意識に立ち上がらせる。


おそるおそる小兎が蔵馬に近寄り、その生死を確かめに行った。


「く、蔵馬選手生きています!かろうじて…立っているのが精一杯の状態で…!」


かすかな蔵馬の息を確認した小兎。


「よっしゃ実況!交代だ!後はオレがやるぜ!」


浦飯チームの次なる選手、幽助。


(蔵馬…よかった…)


未来がほっとしたのも束の間だった。



「おっと、そいつはできねえな…」


ぬっとリング上に現れた魔性使いチーム側の大男。


「こいつはまだ立ってるじゃねえか!さあ次はこの爆拳様が相手だぜ」


「バカ野郎交代だ!蔵馬はもう戦えねえだろ!」


「こ、交代を認めます!」


幽助の主張に応えた小兎だったが、


『大会本部より命令です!交代は認めません!蔵馬vs爆拳、始め!』


スピーカーから非情なアナウンスが流れる。


「イエーイそうこなくちゃな!」
「ナイスだぜ本部!」


観客席は先程よりも数倍盛り上がる。



“蔵馬が殺される”


その予感にとりつかれた未来の背筋は冷水が這ったように凍りつく。



「そんな…だめ!!やだやだ、やめて!!」



パニック状態となり、テントから飛び出さんとする未来。


「未来!」


飛影がそんな彼女の腕をつかみ、テントから出るのを防ぐ。


「あなた死にたいの?おとなしくしていてくださいませ」


未来を小バカにしたように笑った瑠架を、飛影はギリ、と睨み付けた。


「お前は審判失格だとよ」


「ハニャー!」


爆拳は小兎の首根っこを掴むとリングからポイッと放り投げた。


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