long dream@


□呪氷使い凍矢
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「闇の世界を生きるオレ達には一片の光もない。だが気づいたのさ。オレ達の力があればいくらでも表の世界を生きられるとな…」


淡々と述べる凍矢。


「オレ達の望みは誰の手にも染まっていないナワバリ、この島さ。ここは出発点にすぎない。いずれはオレ達自身が光となりこの世をおおってやる」


「忍の反乱か」


魔忍・凍矢の発言に対し、覆面が呟いた。


飛影がそれを聞き言葉を続ける。


「奴等魔忍は命をかけた戦いの前に一番弟子に自分の奥義をたくし部隊を維持する。それを繰り返せばあんな奴等も出てくるさ」


「命をかける…、光、か…」


ちら、と闘技場の隅に座り込み、頭の後ろで手を組んだ陣を見る未来。


(厳しい闇の世界を陣や凍矢は生きてるんだ…)


「問題はいかに奴等を倒すかだが、呪氷使い…かつてオレが倒した青龍とは比べものにならん氷の使い手だぞ」


「えぇ!玄武より白虎より強い青龍よりもさらに上なの!?」


「ああ。かなりな。奴は氷系の能力を使う妖怪の中で最も位が上だ」


凍矢の強さを飛影から伝えられ、未来は蔵馬が心配になる。


「おしゃべりはここまでだ。画魔が命と引き換えに作ってくれた時間、無駄にできない」


戦闘体勢に入った凍矢の妖気が上昇し、両掌にそれが集中していく。


「お前は頭が切れる…しかも用心深く奥の手をいくつも隠している。妖気が使えないとはいえ近づくのは危険とみた。撃ち殺すことにしよう!」


凍矢の両手の上には無数の氷の塊。


ふうっ、と息を吹きかけ蔵馬に向かって凍矢は氷結晶をとばした。


「魔笛霰弾射!」


「うあっ」


蔵馬は動きにくい体で必死にそれをよけようとするが、やはり当たるのは避けられない。


氷の固さと凍矢の妖気が融合してもたらされた痛みに顔をゆがませた。


(…ダメだ。妖気なしで戦える相手じゃない)


凍矢の強さを肌で感じた蔵馬。


攻撃をよけながら、ふとテントの下で不安気な顔をした未来が目に入る。


(…負けられない。絶対に。なんとか…なんとか呪縛を解かなくては……そうだ!)


蔵馬は自分の血で、画魔の血によってつけられた胸の呪縛の文字を落とそうとする。


「フ、血で血を洗うか…考えたな…。だがムダだ。そんなことで呪縛が消える程度の持ち主じゃないよ、画魔は。戦ったお前が一番よく分かっているだろう」


凍矢は蔵馬の行動を感心したように見たが、並でない画魔の妖力を知っている彼は少しも怯まなかった。


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