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□呪氷使い凍矢
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「まずいな…手足は鉛のように重くて思い通りに動かない。その上妖気まで封じられるとはうかつだった」
リングの上で棒立ちになった蔵馬は、絶対絶命である。
「蔵馬…!」
「未来、動くな」
蔵馬を心配し、思わずテントから出ようとした未来を飛影が引きとめる。
「ふふふ、ただの人間のあなたが私の結界に触れたらひとたまりもありませんわ。テントから出ようとすれば命はないことをご承知くださいませ。あなたも大変ですわね、優勝商品だなんて…」
瑠架が未来を鼻で笑いながら忠告する。
「貴様に言われる筋合いはない」
瑠架から未来を隠すように、飛影は立つ位置を変えた。
瑠架はそんな飛影の行動さえもおかしいとでもいうように、口元に笑みを浮かべたままである。
「未来、大丈夫だ」
未来を少しでも安心させようと蔵馬が笑顔を作るが、その顔はやはりひきつっている。
「蔵馬、無理はしないでね。ヤバそうだったら幽助に代わってもらってね。画魔みたいなこと絶対しないでよ!」
蔵馬の無事が、未来の一番の願いだった。
画魔のように、自分の命を捨ててまで勝利に貢献してほしくない。
「オレは生き残るつもりだって、昨日未来の前で誓ったつもりだ」
昨日、蔵馬と未来が二人で訪れた展望台。そして、呂屠戦後のこと。
母親のためにも、自分のためにも、生きたい。生きなければならない。
それに気づかせてくれたのは、まぎれもなく未来だった。
「蔵馬…その言葉、信じてるよ」
未来は蔵馬の無事を祈るように両手をくんだ。
「お前の死、ムダにしないぞ画魔。奴はオレが殺す」
凍矢の目は冷たく蔵馬を見据えていた。
しかし、画魔のカタキを討とうとする彼の目は、熱くもあった。
確かな忍同士の絆がうかがえる。
「ひとつ教えてくれ。なぜ最強の忍と呼ばれる君たちがこの戦いに参加した?」
「…光さ」
蔵馬に尋ねられ、凍矢がおもむろに口を開いた。