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□化粧使い画魔
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「蔵馬vs画魔、始め!」
試合開始の合図早々、筆を2本取り出した画魔。
「元来化粧にはすごい魔力が宿っている。人間も祈願祭などでやるだろう。日常生活でも女は魅惑の化粧を使うしな」
画魔は化粧筆で目元、口周りを赤く塗っていく。
かなり凄味が増し、前とは別人である。
「薄い顔だった画魔がどんどん怖めな感じに…。印象が全然変わっちゃった。はーっ化粧ってやっぱすごいね」
私も化粧で化けれるかなあ、と未来。
「お前はそのままがいい」
未来の顔をまじまじと見ながら飛影は言った。
「え…そう?」
素顔のままで可愛いから十分、と飛影に言われたようで、照れて内心喜ぶ未来。
(未来も物好きな奴だ。あんな風に顔に色をつけて怪物のようになりたいのか)
しかし、飛影は化粧イコール画魔のように化け物っぽくなるもの、という認識しかないだけであった。
「オレが化粧の本当の魔力を見せてやろう。オレ特製の化粧水を使ってな。戦闘の粧!」
顔だけでなく、画魔は体にも筆を滑らす。
筆につけた化粧水の力だろう、画魔の妖気は急激に高まっていった。
「しゃあーー!」
全身に赤い模様をほどこした画魔が蔵馬に向かっていく。
「画魔選手のすごい連続攻撃!蔵馬選手、反撃のチャンスがありません!」
高速で拳をふる画魔とそれを避ける蔵馬を、小兎は必死で目で追っていく。
「敵の性質を見極めてから戦法を決める…蔵馬の悪いクセだ。あれだけスピードがあると武器を出すスキが作りにくい」
ローズウィップを出せない蔵馬を見、飛影が言う。
「植物を武器化する時間は与えねえぜ!このままケリをつけてやる」
先に仕掛けたのは画魔だった。