long dream@


□炎vs炎
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「中堅、前へ!」


六遊怪側の選手は…是流。


「是流だ、是流が早くも出てきたぜー!」


観客は、かなりの実力を持った是流がラストではなく三試合目に出場することに意外そうである。


「やつが大将じゃないのか」


同じく意外そうな蔵馬。


「じゃ、あとの二人はもっと強いのかよ!?」


桑原は幽助を起こすのをあきらめ、第二試合が終わるとリングのそばに戻ってきていた。


「いや、ヤツがあの中で一番強いのは間違いない。オレが行く。あいつは昨日なめたマネをしてくれたからな」


「飛影!ファイト!」


未来の応援を耳にしながら、飛影はリングに上がった。


「火の妖気、火炎術者か…」


是流と向かい、目を合わす飛影。


「コップの切り口を見たぜ。鋭い刃で切ったように見えるが、はしが少し溶けていた。技が荒いな」


いつの間にか割れていたコーヒーカップ。


飛影はそれを話に持ち出し、挑発めいたことを言う。


「それがどうした?ネズミ臭い邪眼師ごときに、とやかく言われる覚えはない」


「なっ “ごとき”って…。飛影の邪眼の力は凄いんだから!なめないでよ!」


飛影を馬鹿にした是流に、未来はほおを膨らます。


是流は反論してきた未来を一瞥すると、またすぐ目をそらした。


「未来ちゃん、飛影が邪眼使ってんの見たことあったっけか?」


修行の時の記憶を呼び起こす桑原だが、飛影は常に額の眼帯を着けていたはずだ。


小声で未来に尋ねる。


「いや、ない」


キッパリと言った未来。


「えぇっ じゃあハッタリかよ!」


「飛影の技なら、最強だよ」


何の迷いもなく未来が言い切った。


青龍戦以来、なんだかんだ未来の中で飛影最強説はその地位を保ち続けている。


「…滅多に飛影は邪眼を使わないからね。これまでの敵は、飛影の剣術だけで倒せる奴ばかりだった」


蔵馬は言い切った未来を見て、絶対の信頼を寄せられている飛影が少し羨ましいような気持ちになるのだった。


「始め!」


小兎が合図を出し、試合は始まった。


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