long dream@


□蔵馬=南野秀一?
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「あんた人間と同居してるんだってなァ。オレには信じられないが、やはり周りの人間を大事にするクチかい?」


喋り方、表情…。
全てが呂屠を下衆な妖怪であると語っている。


「そうだろうねェ…優勝商品の女を守ろうとしてるくらいだからねェ…」


未来を横目で見ながらニヤニヤする呂屠。


蔵馬は黙ったままだ。


「死んだら悲しむだろうねェェェ」


呂屠の右手が変形して鎌になった。


「カマイタチか…」


蔵馬は右手を振り回す呂屠の攻撃を軽々避けていく。


「話にならん、完全に蔵馬が見切っている。桑原も運が悪かったな、あいつが戦った鈴駒はどうやら奴等のNo.2だ」


浦飯ィ〜起きろ〜、と遠くで幽助の体を揺らす桑原を見ながら言った飛影。


「さすが蔵馬だね〜。てかあんな小さいのにNo.2の鈴駒って何者…」


「未来、やっとオイラの強さがわかった!?」


大声で叫ぶ鈴駒に、未来は苦笑いするしかない。


「たいした使い手でもなさそうだ。今楽にしてやるよ」


呂屠の後ろにまわり、倒そうとした蔵馬。



「あんたの母親の命はあずかってるぜ。南野秀一くん」



「!?」


呂屠の言葉を耳にした蔵馬の動きは鈍った。


鎌によって、蔵馬の頬には一筋の傷ができる。


「あずかった…!?」


蔵馬以外で呂屠の声が聞こえたのは未来と飛影、鈴駒だけだろう。おそらく覆面もだ。


観客、そして審判の小兎でさえ何が起こっているか気づいていない。


「くくくく見えるか?このスイッチを押せばオレの使い魔が、あんたの母親を喰い殺すよう尾行している」


呂屠の左手にはスイッチのついたグリップが握られている。


「この意味が分かるかね、優しい優しい秀一くん」


蔵馬は戦闘の意志がないのを示すように、腕を下ろして棒立ちになった。


「それでいいんだよ、母親思いの秀一くんよォォ」


バキッ

呂屠が抵抗しない蔵馬を殴る。


「ちぇっ呂屠のヤツ、汚ねえ手使いやがる」


呂屠と同じチームの鈴駒も、不快感をあらわにした。


「蔵馬のお母さんを人質にとるなんて…最低…」


未来の声は、怒りと動揺で震えている。


バシッ

蔵馬が投げた小石が、呂屠の頬をかすった。


「小石を投げつけることで、ささやかな反抗を示したつもりか?これからはわずかな抵抗も許さねーぜ。手を後ろに組みな!」


蔵馬は大人しく呂屠の命令に従う。


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