long dream@


□ルール
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これから始まる恐ろしい大会とは不釣り合いな、清々しい朝。


「皆様大変長らくお待たせいたしました!暗黒武術会、開幕いたします!」


「ウオオオ待ちくたびれてたぜえ!」
「さっさと始めやがれ!」


審判兼実況の小兎のアナウンスに、盛り上がる観客席。


「うひゃ〜こんな広いとこで戦うんだ」


未来は会場の熱気に圧倒され、キョロキョロ辺りを見回す。


「浦飯チームの奴等、さっさと死んじまええ!」

「六遊怪、遠慮はいらねえ、ぶっ殺せ!」

「裏切り者の飛影と蔵馬!生きて帰れると思うなよ!」


罵倒を浴びせられる浦飯チーム。


「仲間意識のない奴等に裏切り者扱いされるのは心外だな」


蔵馬がため息をつく。


「あの女がナガセミライだな!?」

「へっオレは全財産ぶっこんででもあの女を優勝チームから買ってやるぜ」

「バーカ、テメーの持ってる金くれえじゃ買えるわけねーだろ!」


(また…)

船に乗る前と同じように、“商品” として見られて未来は不快だった。



「戦い方は両チームの大将同士の話し合いによって決めていただきます」


小兎が告げるが、


「大将って…浦飯は寝てるぞ」


まだ眠りから覚めない幽助に、どうすりゃいいんだ、と桑原。


「なら代わりは桑原君しかいないね」


「え?オレ?いや〜やっぱそうかなァ。浦飯の次ってのが気にくわねえが許そう!よっしゃいっちょ決めてやんぜ!」


蔵馬に推薦され、かなり嬉しそうな桑原は、六遊怪チーム大将である是流と向かい合う。


「どんな方法でも構わんぜ、出来れば1対1がいいがな。遊びは長く楽しみたい」


「そうだな、男の対決はタイマンが一番よ!」


彼らしいセリフを言い、是流の案にのった桑原。


カッと、突然焼けるような妖気を是流は発し始めた。


明らかに幽助を挑発している。


「すごい殺気…」


未来は2ヶ月間の桑原、蔵馬、飛影との修行により、妖気や霊気を感じることが出来るようになっていた。


是流がとてつもないパワーの持ち主であると分かる。


(まだ起きんとは…ただのアホか)


眠りこける幽助を見、是流は気を静めた。


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