long dream@
□ルール
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ソファーに座り、トランプを楽しむ桑原、蔵馬、未来の3人。
桑原は三枚、蔵馬と未来は二枚のカードをそれぞれ所持している。
時計は日付がかわったことを告げていた。
「二人共、寝なくていいの?明日の試合に備えて寝とかなきゃ」
彼らがしているのはババ抜き。
蔵馬のカードを一枚取りながら、心配する未来。
「ふふ、私もう残り一枚!」
蔵馬から引いたカードと手持ちカードがペアになり、微笑む未来である。
「緊張して眠れねえよ。のんきにいびきかけるあいつらが羨ましいぜ」
桑原は既にベッドに入っている幽助、飛影、覆面を横目で見やる。
「オレも今日はなぜか目が冴えてて…。あ、上がりですね」
桑原のカードを一枚引いた蔵馬が勝利を宣言する。
「ゲッ」
「桑ちゃん…悪いけど、私の勝ちだね」
「くそ〜勘がいいオレ様が負けるとは…」
未来のカードは残り一枚であり、必然的に次にカードを引く番の桑原が負けるというわけだ。
ババは桑原の手元に。
「次は7並べで勝負だ!」
「もうトランプは飽きたなあ。ほかの遊びしよ!」
桑原の提案を却下し、未来は部屋の棚に置いてあった色々なゲームをあさる。
「ホテルも気が利くよね、トランプとか部屋に用意してくれてて。オセロやダイヤモンドゲーム、将棋があるけど、どれにする?」
「よし、オセロで蔵馬と勝負だ!」
「望むところですよ」
無謀な戦いを蔵馬に持ちかけていると桑原は気づいていなかった。
・・・・
「もう一回!もう一回だけ勝負させて!」
「負けた蔵馬を見ねえと気がすまねー!」
時刻はとうに深夜をまわっている。
オセロで無敗の蔵馬に、あきらめきれない未来と桑原は何度も挑戦しては負けていた。
「蔵馬〜なんでそんなに強いの?コツを教えて!」
「コツといっても特にないな…」
未来が蔵馬に頼むが、頭脳戦で彼に勝つなんて無理な話だ。
「まあ、あえて言うなら…」
ふんふん、と蔵馬の説明を熱心に聞く未来と桑原。
「よっしゃ!それ聞いたら勝てる気がしてきた!」
「またですか…」
幾度となく桑原に勝負を申し込まれ、うんざりしている蔵馬。
「私は…さすがにもう眠くなったな…」
未来はベッドへと足を運ぶ。
結局、桑原と蔵馬のオセロは夜が明けるまで続いていた。