long dream@
□強くなりたい!
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座敷の机に円をかくように座った6人。
「暗黒武術会のゲストにあんたら全員なったってわけかい」
一通り話を聞き、幻海が皆を見渡す。
「私はゲストじゃなくて優勝商品として呼ばれたんだけどね。私たいした人間じゃないのに…」
未来は優勝商品になるほど自分がたいそれた人間だとは思えない。
飛影は下を向く未来の横顔を見ると、
「バカの貴様でも自己評価は的確だな」
「誉めてないでしょ、それ!」
「戸愚呂も見る目がないぜ。未来にそんな価値はない」
「知ってるけど!」
飛影の失礼発言連発に目くじらをたてる未来。
「オレは間違ったことはひとつも言っていないだろう」
フ、と飛影は笑う。
「キー!悔しい!」
未来はハンカチを噛むマネをした。
「へ〜飛影も笑えんだな」
迷宮城で飛影は一切笑わなかったので、意外そうな桑原。
「オレは高笑いなら見たことあるけどな」
飛影の黒歴史を幽助は回想する。
「笑うとけっこうかわいいよね」
飛影が嫌がることを承知で未来が言う。
「…殺すぞ」
「照れなくていいよ、飛影!」
今度は未来が飛影をからかう番だ。
「……」
知らない間に距離を縮めていた飛影と未来に、顔には出さないものの蔵馬はしばらく鳩が豆鉄砲をくらったような心境でいたが、
「未来は怖いもの知らずですね」
遅れて二人の掛け合いにくすっと笑った。
「よっ キラースマイルを持つ男、飛影!」
「この世紀の美男子桑原和真様には及ばないがな!」
未来に便乗して飛影をからかう幽助に、自称笑顔が素敵なイケメン桑原。
「鏡をよく見てから発言しろ、つぶれ顔」
「つぶっ…ンだとコラ!」
久々の飛影と桑原の言い争いである。
さっきまでのシリアスな雰囲気はどこへやら、ワイワイ騒ぎだした若者たちに幻海は呆れる。
「あのねえこれから2ヶ月をどう過ごすかであんたらの生死が決まるんだよ!少しは真面目に話しな!」
はた、と口を閉じた一同。