long dream@
□強くなりたい!
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しばらく黙っていた二人だったが、
「帰るか。送る」
幽助が沈黙を破った。
「うん…」
未来は混乱する頭で、なんとか返事をする。
「幽助、未来」
闇の中で聞こえた透き通る声。
振り返れば、蔵馬が立っていた。
隣には桑原と飛影。
「オレたちも、今戸愚呂と会いましたよ。暗黒武術会に招待するとね」
「なんか大変なことになったね…」
蔵馬も未来も、その表情は穏やかではない。
「信じられねぇ…戸愚呂はやべえ。妖気が強すぎて、足がすくんで動けなかった」
桑原は戸愚呂が去った今もなお震え続けている。
「まあ、いい暇潰しにはなるな」
飛影が平然と述べたが、彼も確かな勝算があるわけではなかった。
「強くなんなきゃなんねえ」
幽助がまっすぐ前を見て言った。
「今のままじゃ絶対に殺される…。みんなで幻海婆さんの家に行こう。オメーらも修行するにはあそこがいいだろうし、今後のこと色々話さねーとな」
幽助に同意し、5人は幻海邸に向かった。
それぞれ考えることがあったのだろう…。
到着するまで皆無口だった。
「ただいま〜」
玄関を開けた未来。
幽助ら4人も彼女に続く。
茶を飲みながらTVを観る幻海がいる座敷部屋に入る。
「おかえり。今日は客が大勢だね」
幻海がTVから目を離さず言った。
「強くなりてェ。2ヶ月でできる限りだ」
幽助の瞳は戸愚呂に脅えていた時とは一変し、確固たる決意に満ちていた。
「今度は容赦せんぞ」
振り向いた幻海の声色は厳しかった。