long dream@


□ヘレンちゃんの恐怖!
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「幽助達どこなの〜。この屋敷広すぎるよ」


屋敷内を駆け回り、未来の持久力は底をついていた。脇腹も痛い。


「誰かの妖力が急上昇しているのを感じる。こっちだ!」


戦闘体勢に入った戸愚呂の妖気を感じた蔵馬は、その方向へ走り出し、未来もない力をふりしぼって彼についていく。


未来の持つ、体力を回復させる能力は自身には使えないのだった。


ドドドドドドドド…

突然、二人の背後から聞こえてきた不吉な音。


「何か来る!?」


得体のしれない音に、未来は足を止めた。


「足音か…?」


蔵馬も後ろを振り返って立ち止まり、周囲に注意を払う。


「蔵馬、早く行こう。嫌な予感がする」


未来が言ったが時は既に遅し。


「な、何あれえ!」


視界に入ったライオンや虎の進化形のような恐ろしい怪物5頭に、未来は腰を抜かす。


怪物…もといヘレンちゃんは狙った獲物は逃がさない。


蔵馬と未来の姿を目にした途端、猛スピードでこちらへ向かって走ってきた。


「くそっ」


蔵馬が未来の手をひき走り出すも、チーターの遺伝子を持つヘレンちゃんにはT字路で追いつかれてしまった。


「ガルルゥ〜ッ」


口を大きく開け二人に突進してきたヘレンちゃん2号。


「きゃああっ」


「未来っ」


突発的に右方向に逃げた未来と、左方向に避けた蔵馬。


その時、繋いでいた二人の手が離れた。


ローズウィップを取りだし、蔵馬はヘレンちゃん達の注意をひく。


「未来、奴らはオレが倒すから君はその間に出来るだけここから離れてくれ。屋敷から出るか、安全そうな部屋に入ってじっとしておくんだ」


未来に単独行動をさせたくない蔵馬だったが、今の状況ではやむをえない。


「蔵馬…わかった。気をつけて!」


怪物5頭を相手にする蔵馬が心配なのはやまやまだが、自分がここにいても彼の戦いの邪魔になるだけだ。


そう悟った未来は、走り出しその場から立ち去る。


ヘレンちゃん3号が彼女を追いかけようとしたが、蔵馬がローズウィップをならしそれを阻止した。


ただ、蔵馬をいつでも自分の能力で助けられるように戦況がわかる位置にはいたいと思った未来。


先の曲がり角で立ち止まり、顔を覗かせ様子をうかがう。


(蔵馬は勝つって信じてるけど、自分だけ逃げるなんて出来るわけないよ)


玄武戦の時は逃げることも考えた未来だったが…


今の未来には、そんな発想は微塵も浮かばなかった。


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