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□ヘレンちゃんの恐怖!
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「いいんですか左京さん、66兆2000億円なんて大金を侵入者が勝つ方に賭けて。ワシが雇った戸愚呂兄弟は最強じゃぞ。あのヘレンちゃんを余裕で倒しおったからな!」
垂金が顔に大量の汗を浮かべながらモニター画面の左京に問う。
「私は朱雀や青龍を破った彼らの実力に賭けますよ」
「ほ、本当にいいんだなっ」
自信ありげな言葉とは裏腹に、垂金は万一負けた場合を想定して焦っている。
左京はそれを見抜いていた。
「だが…残念だねぇ」
煙草をふかし、呟く左京。
「浦飯たちと共に、彼らの仲間である未来も来てくれたらよかった。彼女を見てみたかったよ」
残念だ、もう一度左京は呟いた。
「未来?誰だそれは」
「垂金さん知らないんですか?けっこう我々がいる裏社会では噂になってますよ。未来という人物が異世界から来たってね」
垂金に、賭けに参加している他の金持ちが教える。
(異世界!それは面白い!必ずワシがその女を取っ捕まえて売りに出してやるぞ。66兆2000億以上の高値で売れるかもしれんな)
新しい収入の気配に、不敵に笑う垂金。
「おお、来たか」
垂金が居る部屋にある窓ガラスからは、これから幽助、桑原と戸愚呂兄弟が戦う予定の広い競技場が見える。
その部屋に雪菜を取り押さえた垂金の部下数人が入ってきた。
雪菜は不安げな面持ちで両腕を捕まれている。
「垂金様、セキュリティシステムによるとまた新たな侵入者が二人来たようですが」
部下のひとりが垂金に告げる。
「今はそいつらに構っとる暇はない!ヘレンちゃん2号から6号を屋敷内に放しておけ。 いつか二人は喰われるじゃろ。試合が終わったら戸愚呂に逃がしたヘレンちゃん達を捕獲してもらう」
「分かりました」
垂金の命令に従い、部下の男は5頭のヘレンちゃんのゲージを開ける遠隔操作のリモコンを押したのだった。