long dream@


□ヘレンちゃんの恐怖!
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霊界から帰還し、幻海邸にて自分の体に戻った蔵馬と未来は、交通機関を乗り継ぎ垂金の別荘がある森に到着した。


森の中を歩き、未来は出発間際コエンマから言われた言葉を回想する。




―時間がないから説明は簡単に済ます。

雪菜は氷女という妖怪でな、彼女の涙は氷泪石と呼ばれ数億円の価値がある。

その宝石目当てで垂金権造は彼女を監禁しているというわけだ。

さあ分かったら早く行ってくれ!

雪菜救出はもちろん、絶対に飛影に垂金を殺させないように頼むぞ!

いかなる理由があっても人間を殺せば飛影は極刑を免れん。―




回想しながら、自分や蔵馬と同じように今垂金の別荘を目指しているであろう飛影のことを未来は思う。


垂金を殺してしまうほど、飛影が彼を憎む理由とは…

雪菜がそれだけ飛影にとって大事な存在だ、ということだろうか。


(意外な一面だなあ。まあ私は飛影のことを全然知らないから、意外って言うのも変か)


迷宮城で未来と飛影はあまり言葉を交わさなかった。

お互い相手のことがまだ掴めていない状況だ。


森を進むうちに見えてきた大きな館。

雪菜と飛影の関係は不明のまま、蔵馬と未来は別荘にたどり着いた。


「こ、この人たち死んでるの!?」


別荘に足を踏み入れるとすぐ目にはいってきたのは、大勢のスーツを着た男性が倒れている光景。


「いや、気絶しているだけだ。おそらく幽助たちにやられたんだろう」


未来を落ち着けるように蔵馬が言った。


「幽助や桑ちゃんはどこで戦ってるのかな。雪菜ちゃんの居場所もわかんないし…広そうな別荘だけど早く見つけなきゃね!」


意気込む未来は蔵馬と共に駆け出す。


「ああ。でも手分けして探すのはなしですよ。オレのそばを離れないように」


未来の単独行動は危険とみた蔵馬。


二人は廊下を走り続けた。


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