long dream@
□トリップの謎
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四聖獣との壮絶な戦いから一週間あまりがたった、清々しい朝。
「桑原〜お前ん家のデッキでビデオ見させてくれ。オレん家の壊れてんだ」
皿屋敷中の問題児、浦飯幽助が桑原和真に声をかけるも…反応はない。
「ったくお前この間からどうしたんだよ」
最近元気のない桑原は、ずっとこの調子だ。
理由を聞いても答えず、かなり不可解に思っている幽助である。
「とにかく、霊界からの指令のビデオだ。放課後オメーん家行くからな」
桑原がうなずいたのを確認すると、幽助はさっそく朝のHRをサボりに出かけたのであった。
「幽助、またサボりかい?」
「なんだぼたん、またウチの学校の制服着てんのかよ」
「いいじゃないのさ、似合うんだから!」
幽助は教室を出ると、またもや学校に潜入しているぼたんと遭遇した。
「そうそう、一昨日幻海師範の家へ行ってさ、未来にちゃんとお礼言っといたよ」
「おお そうか…」
幽助は目覚めた後、虫笛を壊したのは未来であることをぼたんらに伝えたのだ。
「今日は未来、蔵馬と一緒にコエンマ様に会いに行く予定のはずだよ」
「コエンマに?つーか何で蔵馬も?」
「幽助は死んだ状態の時にしか霊界行ったことないから分かんないだろうけど、生身の人間…妖怪もね、が行くにはちょっと苦労するんだ」
霊界は本来死んだ者が訪れる場所。
そこに生きた者が行くのは、簡単なことではないのだ。
「だから経験者の蔵馬か飛影のどっちかに教えてもらえって未来に言っといたのさ。幻海師範はわざわざ霊界まで行くのに付き合う気はないっていうからさ…」
「ふ〜ん…まあ選択肢は実質一つだよな」
飛影は頼んでも絶対に断りそうだし、第一彼は何処にいるのか不明である。
未来は蔵馬を選ばざるをえない、というわけだ。
「あ、そういえばよ…桑原の様子が最近ちょっとおかしいんだが、なんか心当たりあるか?」
「う〜ん…あるとしたらアレかね」
ぼたんはためらいながらも口をひらく。