long dream@
□イケメン朱雀
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「えいえいっ」
「こりゃ〜いいぜ! 未来ちゃんサンキュー!体力も霊力も回復する」
だいぶ気のコントロールに慣れてきた未来はエネルギー弾の命中率が上がり、七割は桑原らにそれを当てることが出来るようになっていた。
まあ残り三割は養殖人間にぶつけてしまうのだが。
「未来、もうやめた方がいい。君の体力もなくなってきている」
エネルギー弾を出すのはそれなりに体力を消耗するため未来はかなり疲れを感じていた。
蔵馬はそんな彼女に気付いていたのだ。
「まだ大丈夫!」
みんなの役にたちたい、その一心で頑張り続ける未来。
「なんだあれ!?」
桑原が指した方向に、未来も目を向ける。
「雲に人が乗ってる!?こっちに来るよ!」
「朱雀か!?」
空が暗いため顔はよく見えないが、おそらく飛影の言う通りだ。
朱雀と思われる人物が、養殖人間と戦う三人に向かって電撃を放つ。
「しまった!未来が!」
蔵馬が気付いた時にはもう遅かった。
「きゃあああ!」
皆が電撃に気をとられたスキに未来をさらった朱雀。
「コラ−!未来ちゃんに触るなあ!」
桑原が叫ぶも、雲は朱雀と未来の二人を乗せ空高く舞い上っていく。
霊剣やロ−ズウィップで攻撃しようにも届きそうもなく、朱雀と共にいる未来まで傷つけてしまいそうで三人はどうすることも出来ない。
「やだやだっ降ろしてよお!」
突然の事態に、パニックになる未来。
「死にたくなかったらおとなしくしていろ」
「っ…」
少し落ち着きを取り戻した未来は、涙をこらえ初めて自分をさらった相手である朱雀の方を見た。
(嘘…聞いてないよ。やばい…)
途端、息をのむ未来。