long dream@
□イケメン朱雀
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「ぐあああああ」
塔の最上階に、幽助の苦しむ声が響きわたる。
暗黒妖籠陣によって七人に分かれた朱雀。
そのうちの二人に両腕を捕まれ、幽助は電撃をくらっていた。
「朱雀様〜!」
「どうしたムルグ」
虫笛を持った、朱雀のひとりが塔に飛び込んできた色鮮やかな鳥に呼び掛ける。
「あの女やはりただ者ではありませんでしたわ。 未来の手のひらから出たエネルギー弾は、当てた相手をパワーアップさせることが出来るようですの」
ムルグの言葉を聞いた朱雀は、幽助の方を見下し笑う。
「浦飯幽助、お前はオレに特上のプレゼントを連れて殺られに来たようだな」
(未来にそんな能力が…?)
幽助は朦朧とする意識の中、思考を巡らせる。
「養殖人間を早く倒されても面倒だな…。それになにより、あの女は使える 」
朱雀が空に手をかざすと、黒い雷雲の一部がちぎれ、彼の元に飛んできた。
虫笛を持ったまま、まるで筋斗雲のようなそれにまたがった朱雀。
「テメ−どこ行く気だ… 未来に何する…」
幽助を無視し、六人の自分を残して朱雀は黒い雲に乗って塔から去っていった。