long dream@


□目覚め
2ページ/5ページ


「た、高〜い…」


蔵馬に肩車されている未来。


その蔵馬は桑原の上に乗っており 、未来は相当な高さにいた。


「飛影、靴の裏くらい多少はらってから乗ってよ…。めちゃめちゃ砂が落ちてくるんですけど」


未来の両肩に無遠慮に足をのせ飛影は立っていた。


「知るか」


(うん、そう言うと思ってたお…)


期待?を裏切らない飛影の返事である。


「なんでオレが…」


自分の配置に不満そうな桑原だが、最も身長の高い彼が一番下なのは当然といえよう。


「うおお行くぜーー!」


勢いをつけて走ってきた幽助が、彼らを踏み台にして跳び上がる。


なんとか窓まで届くことが出来た幽助。


「桑原!蔵馬!未来!飛影!サンキュー!無事に戻ったらおごるぜ」


「気をつけてね!」


「死ぬんじゃねーぞ!」


幽助は未来と桑原の声援に応えるように親指を立てると、塔の中へと姿を消した。


残された4人に近づいてくる養殖人間たち。


4人は体制を崩し、未来は数十秒ぶりに地面に足をつく。


飛影によってつけられた、服についた汚れもはらった。


「未来は離れていた方がいい。奴らはオレ達で片付ける」


「わかった。みんな、お願いね!」


蔵馬に言われて未来は塔から離れるべく駆けて行った。



・・・・



塔の最上階で、一部始終を見ていた朱雀。


「もうじき浦飯幽助がここへ来るな。ムルグ、お前は下に行って未来とかいう浦飯の仲間の女の様子を見ておけ」


朱雀が鮮やかな体色の小鳥に命令する。


「あの女がどうかしましたの?」


「あの女…未来の気の変化が気になる。今まで感じたことのない、不思議な気だ。何かあったらすぐオレに知らせろ」


「分かりました朱雀様。偵察に行って参りますわ」


朱雀に忠実な小鳥、ムルグが空に羽ばたいた。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ