long dream@
□地獄の部屋
3ページ/4ページ
「なに!?」
意表を突かれた白虎。
桑原は霊剣を棒がわりにして飛距離をのばし、白虎がいる足場まで勢いよく跳んできた。
「ただやられるワケにはいかねえ、テメーも道連れだ!オレと一緒に地獄におちろ!」
ドボオオォン…
桑原は殴った白虎と共に濃獄酸の中へ落ちていった。
「桑原アーーッ!ちっちくしょう…!くわばら…死んだら…死んだら元も子もねーじゃねーかよ…!」
ガク、と膝を曲げ、地面に手をつく幽助。
「いや待てあそこを見ろ!」
飛影が指差した先には…
「早く助けてくれ〜」
サラシが足場に引っ掛かて、生きた桑原の姿があった。
「く…桑原〜!」
一目散に桑原のところへ行く幽助に、飛影も続く。
「あ…あのお〜」
残った蔵馬に、未来は恐る恐る声をかける。
「手を貸そうか」
未来の言わんとすることがわかった蔵馬だ。
「本っ当〜に申し訳ないんだけど向こうまで連れていってくれませんか…?」
未来には足場をつたって跳んでいくことなど出来ない。
「いいよ。のって」
そう言うとしゃがんだ蔵馬。
「ごめんね、重いよね!?」
申し訳なさでいっぱいになりながらも未来は蔵馬に背負われる。
「いきますよ」
蔵馬はひと一人おぶっているにもかかわらずスムーズに足場を跳び移っていく。
未来は跳ぶ度に蔵馬の背中で振動を感じながら、
(蔵馬って薔薇の香りがする…)
なんてことを考えていた。