long dream@
□華麗なる薔薇の舞
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幽助は人間界にいるぼたんとテクマクマヤコン風の道具で話していた。
「さて…まだ町は無事みてーだ。ところで蔵馬、四聖獣ってどんな奴らだ?」
「霊界が彼らを妖魔街に封じ込んでいることからも分かるように危険な連中だよ。かなり人間離れしてるからビックリするかもね」
「おほめの言葉ありがとうよ」
蔵馬の発言に応えるように、扉の向こうから聞こえた低い声。
扉を開ければ、巨大な岩のかたまりのような、ごつごつした妖怪の姿があった。
「人間離れの度合いひどすぎでしょ…」
「じょ、冗談じゃねぇぜ!どうやってこんな化け物と闘うんだよ!?」
初めて目にする“怪物”に、ビビる未来と桑原。
「グフフ この玄武様が相手だ」
ドカッ!!
玄武がしっぽで床を叩き、クレーター状のくぼみを作った。
未来の頭に逃げるという選択肢が浮かぶ。
「オレを倒さなければ先には進めないぜ。まとめてかかってきていいからな。その方がオレも手間が省ける」
「オレがやろう。敵の性質がわからない以上、全員で行くのは危険だ」
涼しい顔をした蔵馬が一歩前に出る。
「ム、ムチャだぜ蔵馬!それよりなんとかスキを見て先に進んだ方が…」
「一人で行く方が危険だよ!」
「貴様らは蔵馬の強さを知らんからな」
蔵馬を止めようとした未来と幽助に、飛影が言う。
「なぜオレがヤツと組んだか教えてやる。 敵にまわしたくないからだ。自分に危害を加えようとする者に対する圧倒的な冷徹さはオレ以上だぜ」
腐餓鬼を倒した蔵馬の強さを見てはいたが、飛影の話を聞いてもなお、未来は不安を拭い去ることはできなかった。
「さあ…どこからでもどうぞ」
蔵馬が攻撃を誘うが、玄武は微動だにしない。
「…こないならこちらからいきましょうか」
そこで、幽助たちは異変に気づいた。
「あの野郎のしっぽが床の中に溶け込む様に入っている!?」
「後ろ危ない!」
未来の言葉に蔵馬が後ろを振り向いた瞬間、背後から襲ってきた玄武のしっぽが彼の腹をかすめた。
「ぐははは オレは岩と一体となって移動できるのだ!岩を通せばしっぽだけの移動など朝飯前よ」
この部屋全体がオレ自身だ!と叫び、下品な笑い方をする玄武。