long dream@


□裏切りの門
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未来が天井から手を離し、増加するであろう圧力を覚悟する一同だが。


「なあ桑原…重さ変わったと思うか?」


「いや、キツイのに変わりはねーが…。未来さん、大丈夫すか!?」


「ん…」


一瞬気を失っていた未来が目を覚ます。


「あれ!?潰されてない…。みんな大丈夫なの!?」


「いっいいから早くレバー上げに行ってくれ!」


幽助に言われ、未来はトンネル型の門からはい出てレバーを上げに向かう。


「きゃあっ! キモすぎ!来ないでよお!」


しかし、行く手を阻もうとするようにパタパタと門番が未来へ向かって飛んできた。


「オイそんなのにかまわねーで早くしろ!」
「未来さん頼む早く…」
「くっ…」
「貴様オレを怒らせたいのか?…うっ!」


限界が近づく幽助、桑原、蔵馬、飛影の四人。


「や、やめてーっ!こっち来ないで!」


「ホホホホホホ…」


バサバサと羽をはためかせる門番に追いかけられ、半泣きの未来が逃げる。


(みんな死んじゃう!早くしなきゃ!)


気味の悪い門番に阻まれながらも、必死に未来はレバーへ近づこうとする。


「ぐっ…待ってられねえ!飛影!」


このままでは未来がレバーにたどり着く前に皆の力が尽きてしまうと、幽助が飛影へ叫ぶ。


「レバーを上げに行ってくれ!この中で一番すばやいのは飛影、オメーだ!」


思いもよらない幽助の言葉に、飛影はその大きな三白眼をさらに見開く。


「バカヤロ浦飯!血迷ったか!?そいつは信用できねー!オマエが行け!」


「オレが全霊気を放出すれば短い間ならオメーの分も支えられる!行ってくれ飛影!」


桑原に咎められても、一分も幽助は動じない。


自分を無条件に信頼してきたおかしな男を、汗をかく飛影が信じられないものを見るような目で見つめる。


「まかせたぜ!」


他者から初めて受ける真っ直ぐな眼差しが、飛影の心を揺さぶった。


「み、みんなお待たせ!」


飛影が天井からその手を離しかけた時、やっと未来がレバーにたどり着く。


「止まった!」


門番に触れないよう細心の注意をはらって未来がレバーを引き上げると同時、天井は重圧をかけるのをやめた。
 
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