long dream@
□裏切りの門
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(異世界から来ただと…!?魔界や霊界を行き来するのとは訳が違う。確かに彼女からは妖気でも霊気でもない“気”を感じるな…)
蔵馬は入口へ足を運ばせながら考えを巡らせていた。
「おい。言っておくがな」
今まで一度もしゃべっていなかった飛影が口を開く。
「蔵馬はどうか知らんがオレが興味あるのは四聖獣が持つ宝や妖具だ。貴様らに協力する気なんかまったくないからな!」
「なんだコイツは?ああ!?背丈の割にゃやけに態度でけーなコラ」
飛影に噛み付く桑原。
「死にたいのか貴様?」
「なにおォコラてめーやんのかオイ!?」
「ちょ、ちょっと今けんかしてどうするの!?」
出会って早々言い争いを始めた二人に未来は焦る。
「やめろ飛影。 揉め事はこの仕事が終わった後だ」
蔵馬の一言でなんとかその場はおさまったが、またすぐいさかいを起こしそうな二人に未来はハラハラする。
(大丈夫かなあ。このメンバー…)
これからの戦いに一抹の不安を覚えつつ、未来たちは迷宮城の入口に到着した。
「ここが入口かあ。かなり長いトンネルみたいな門だね…って、な、何あれ!?」
トンネル型の門を進んでいると、前方から一つ目のコウモリのような生き物が飛んできた。
「ようこそ迷宮城へ。私はこの門の番人です。この城に入らんとする者達は裏切りの門の審判を受けなければなりません」
そう言って、門番は奥の壁にあるレバーを下げた。
ゴゴゴゴゴ…と低い音を響かせ降りてくる天井。
「くっ!」
「うおお!」
「…っ」
押し潰されそうになりながらも、五人は必死で天井を支える。
「その門は支えている者の力を読み取って、ギリギリ堪え得る重さで重圧をかけます。ひとりでも力を抜けば残りの者は全て潰されますよ。かと言って誰も逃げようとしなければ、最後には力尽きて全員死ぬでしょうねえ…」
おかしくてたまらないとでもいうように、門番はその一つしかない目を細める。
「ううっ くそ…どうすりゃいいんだ」
歯を食いしばって、幽助は重さに堪える。
「みんな…ごめん…私もう無理かも…」
ほかの四人とは比べものにならないほど体力も筋力もない未来の体は、押しかかる重さに悲鳴をあげていた。あまりのつらさに視界もぼやけてくる。
「なっおい!堪えろ!みんな潰されんだろーが!」
幽助の言葉も空しく、未来は天井から手を離しバタッとその場に倒れた。