long dream@


□死んだら?オドロいた
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「ここは…どこ?」


トラックに轢かれる、と思わず目をつむった。


が、目を開けてみれば、未来は見知らぬ住宅街の中にいた。


(も、もしかして死後の世界なの…!?)


今自分が置かれている状況に動揺し、キョロキョロ辺りを見回す未来。


「ふ…ふふふ…」
「ししし…」


未来は背後から聞こえた不気味な声に振り向いた。


(何この人達、目が正気じゃないよ…!)


気持ちの悪い笑みを浮かべ、狂っているとしか思えない人間達が未来からほんの5mほど先に立っていた。


しかも、その数はどんどん増えていく。


…まるで未来の元に集まっているかのように。


「あ…あ…」


未来はあまりの恐怖に震えて動くことができない。


「死ねええええええ!」


途端、襲いかかってきた狂人達。


「きゃああああああ!」



ドカッと無数の鈍い音が辺りに響く。


突如現れた少年二人に、狂人達は一瞬で倒されたのだ。


未来は目の前で起こった出来事が信じられず目を見開く。


(あんな大人数の人間を一瞬で倒すなんて…)


二人の少年をまじまじと見る未来。


「オメーかよ、異世界から来た人間ってのは」


目の前で呆然としているセーラー服の少女へ、唐突に幽助が話しかけた。


(い…異世界?)



バシッ


ますます未来が混乱する傍ら、幽助の頭をぼたんがはたく。


「いってーな!何すんだよぼたん!」


「あのねえこの子だって今の状況がわかってないんだからその言い方はないよ!」


唖然とする未来の目の前で、ギャーギャー騒ぐ幽助とぼたん。


「あたしは霊界案内人のぼたん!こっちの人は幽助と桑原くんね」


ぼたんは笑顔で未来に自分たちの名前を告げた。


「あ、私は永瀬未来っていいます。あの、ここはどこですか!?まさか死後の世界!?」


「おいオレらを勝手に死人にすんじゃねーよ。ここは現実だ現実!」



バシッ


「あだっ」


「未来ちゃん、安心して!あたしがちゃんと説明するからさ」


そう言ったぼたんを、二度叩かれた頭をさすりながら幽助はうらめしそうに見ていた。


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