long dream@
□死んだら?オドロいた
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皿屋敷中近くの空き地で、なにやら深刻げに話をしている三人の男女がいた。
「つまり、早くその虫笛を奪ってこわさねーといけねーんだな?」
「そうそ!桑原くんわかってるじゃないかい」
桑原、と呼ばれたリーゼントの青年にうなずくポニーテールの女性。
「よし!早速その四聖獣って奴等を倒しに行ってやるぜ」
「待って幽助!」
「んあ?なんで止めるんだよぼたん」
今にも駆け出そうとしていた少年―幽助を、ぼたんは制止する。
「問題は四聖獣だけじゃないんだよ。どうやらついさっき、異世界から人間が一人この世界に迷い込んだらしいんだ」
「い、異世界!?」
ぼたんの発言に、幽助と桑原は声をそろえて驚く。
「霊界が空間の切れ目を発見してね、そこを生命体が通り抜けた反応があったんだよ。異世界から来た人間はその異質な気のせいで魔回虫に寄生された人間に狙われやすいらしくて…」
切羽つまった表情で、難しい顔をするぼたん。
「その人を守るってのも幽助!あんたの霊界探偵としての使命だよ」
「分かったけどよぉぼたん…どうやってその異世界の人間を探すんだ?」
「じゃーん!コレだよコレ!」
ぼたんが取り出したのは時計のような、方位磁針のようなもの。
「妖気計!?相手は人間で、妖怪じゃねえんだろ?」
「妖気計は妖気だけじゃなく、さっき言ったような“異質な気”も察知できるのさ」
ピピピ…
「おっ!反応してるぜ!」
桑原の声と同時に、三人は妖気計が指し示す方向へ足を走らせた。