long dreamA


□ドキドキ
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昼食時を少し過ぎ、賑わいも落ち着いてきた雪村食堂にて。


「いらっしゃいませ〜」


盟王高校の制服を着た二人は、接客業にふさわしく笑顔の眩しい、数ヶ月前増えた看板娘に迎えられた。


「って、蔵馬と海藤くん!?」


「未来、久しぶり」
「どうも」


驚く未来に、二人は片手をあげ挨拶する。


「お、未来ちゃん、知り合いかい?ちょうどキリがいいし休憩入っていいよ!二人と一緒にまかない食べちゃいな!」


「ありがとうございます。では休憩入ります!」


螢子の父親の気遣いにより、未来は盟王コンビと共に遅い昼食をとることとなった。


人数分のコップに水を注ぎ、持ってくると彼らの座るテーブルに自分も席をつく。


「びっくりした〜。蔵馬がお店に来たの初めてじゃない?海藤くんも一緒に来てくれるとは!テスト今日で終わりだったんだっけ」


「未来の働きぶりを覗きに来たんですよ」


中間試験明けの二人をお疲れ様、と未来は労う。


しばらくすると料理が出来上がり、昼食をとりつつ三人は談笑する。


「打ち上げって、明日だよね」


「うん!幻海師範の家で、午後六時半集合だよ。皆で集まるの楽しみだな」


蔵馬に頷く未来。
魔界の穴事件のお疲れ様会は、明日土曜に幻海邸で開かれることとなった。


「飛影を呼びたくても、どこにいるか分からないから困ったな。あの日、オレが帰宅した時にはもういなくなっていて打ち上げのこと伝えられなかったから」


「あ、それは大丈夫だよ!飛影、今うちに一緒に住んでるから」


ピシ、と蔵馬が固まって、危うく箸を落としそうになる。


「未来、今なんて?」


「飛影も今、幻海師範の家に居候してるの。魔界の穴事件が解決した日から」


あっけらかんと答えた未来の衝撃発言に、蔵馬は絶句し言葉が出ない。


そんな二人を交互に見た海藤は、


「つまり、同棲中ってことか」


と、一人納得して呟く。


「その言い方はおかしいって!師範もいるし…そうそう、雪菜ちゃんも一緒に同居してるんだよ。飛影が来た次の日から雪菜ちゃんも来てさ」


「四人暮らしなのか。雪菜ちゃんって?」


「あ、海藤くんは知らないか。以前知り合った、雪女の子なの。魔界の穴事件の噂を聞きつけて、心配してうちに来てくれたんだ」


「未来…それはマズいと思うよ」


蔵馬にとっては幻海や雪菜が一緒だろうが関係なかった。いや、飛影と二人きりだったらもっと問題だったが。


未来の横で、頭を抱える蔵馬がハァ、とため息をつく。


「何が?」


「だから、飛影と一緒に住んでるってことが」


「うーん、私も感覚マヒしてるのかな…。師範や雪菜ちゃんも一緒だし、私たち暗黒武術会の時はホテルで同室だったじゃない?だから問題ないかなって思ったんだけど…やっぱ客観的に見たらおかしいかな」


「おかしいよ。すごくおかしい」


飛影と同居してほしくないという超個人的な理由からだったが、未来に考え直してもらうべく蔵馬は主張する。


「そっか…そうだよね」


納得した様子の未来だったが、でも、と続けた。


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