long dreamA


□スリーセブン
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「天沼くん、ちょっと海藤くんを舐めすぎだったんじゃない?この調子なら勝てそうだよ!」


五問連取した海藤に、勝機が見えてきたと未来ははしゃぐ。


「…だといいんだが」


天沼の底知れぬ実力を警戒する蔵馬は、まだ素直に喜ぶ気分になれなかった。
肌で相手の実力を感じられないというのは、想像以上に不気味なものだ。


「よし!わかった!」


意味深な台詞を吐き、天沼が行動を開始したのは六問目からだった。


「わかった?今までの五問はオレの実力を探っていたとでもいうのかい」


「バッカじゃないの。わかったのはもっと別のこと。あんたの実力なんか始めっから気にしちゃいないよーだ」


べーっと舌を出し言った天沼は次の問題で、問題文が読み上げられる前に回答ボタンを押した。モニター画面は当然だが真っ暗だ。


どういうつもりだ!?とその場にいた全員に戦慄がはしる。


「問六の問題は西暦二千年地球に激突するという説が出て話題となった小惑星の名前は何か。答えはBのトーチタス」


ピンポン!と正解のブザーが鳴り、モニターには天沼の言った通りの問題文が映し出された。


「まさか予知能力…!?いやイカサマに違いねえ!」


「それとも勘で当てたとか…!?」


にはかには信じられない展開に、絶句する幽助と未来。


「いや違う。クイズの問題と順序そして答えの位置を完璧に記憶しているんだ!」


「南野、だがこのクイズの問題も答えも全て順序はバラバラのはずだ」


「甘いね。バラバラに見せかけて実は法則があるのさ。その公式を探し出すのに大体五問くらいかかるんだけどね」


狼狽える海藤に、チッチッチと人差し指を振って天沼が得意げに述べる。


(天沼くん…どんだけ賢いの!?)


遊熟者(ゲームマスター)の実力は、未来たちの予想の遥かに上をいっていた。


クイズが出題される前にボタンを押し正解する天沼になすすべもなく、海藤は敗北する。


「完敗だな。クイズの順番に法則があることは気づかなかった」


「でもイイセンいってた。あんた強いよ。次は別のゲームで戦いたいな!」


潔く負けを認めた海藤に、ニカッと笑って天沼が言う。


「…?」


戦いの場にはそぐわない、無邪気な笑顔を見せた天沼に、海藤は拍子抜けした。


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