long dreamA
□水兵-seaman-
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二日後、皿屋敷中学の屋上にて未来は幽助と桑原にコエンマから聞いたことを洗いざらい話していた。
「これだからクソマジメな奴は始末が悪いよな。極端から極端へ走りやがる」
「自分が危険になるのを承知で穴開けて人間全員ぶっ殺したいとはなァ。オレにゃ全く理解できん」
幽助が舌打ちし、桑原が空を見上げ呟く。
「御手洗くんが心配だなあ」
「御手洗って…ああ、未来が前に蟲寄市で会ったって奴か。能力に目覚めて奴らの仲間になったんじゃないかって疑ってる」
浮かない顔で呟いた未来に、大凶病院で交わした会話を振り返る幽助。
「中学生くらいの子でね、大人しくて良い子そうだったんだよ。奴らに脅されて利用されたりしてないか心配」
「大変大変大変だよー!!」
未来が述べると同時に、血相を変えて櫂にまたがり文字通り飛び込んできたのはぼたんだった。
「さっき盟王高校へ行って蔵馬と海藤くんにも伝えたんだけどさ、魔界との穴が広がりきるまであと一週間しかないんだよー!」
「何!?」
ぼたんが告げた最悪の知らせに、幽助たちは絶句する。
「とにかくコエンマ様の話を聞いて」
ぼたんが霊界とつなぐモニターを取り出すと、画面に自室の椅子に腰をおろすコエンマが映る。
『ワシらの読みが間違っていたことが判明した。実際の穴の円はすでに1.7qまで達していたのだ』
淡々と語るコエンマの目元の隈には連日の疲れが表れていた。
『空間の歪みを解析した結果、実際の円の中心は地下550mにあることが分かった。敵は地下深い巨大な広場で球状の歪みを作っていた。地上に投影された円は中心からずれた級の断面に過ぎなかったのだ』
コエンマの言葉が、幽助と未来の脳を経由せず右耳から左耳へ通り抜けていく。
「おい画面が見えねえオレにも説明しろよ」
「難しくてオレにもよくわからんかった」
「とにかく予想が外れて穴が思ったより大きかったってことらしいよ」
暗黒武術会以後なぜか霊感がなくなった桑原が喚くも、通訳にならない幽助と未来である。
『その代わり場所は分かった。入魔洞窟だ』
蟲寄市郊外に入り口のある、長大な地下水脈の流れる大規模洞窟だという。
「よっし場所さえわかればこっちのもんだ。早いとこ蔵馬たちに連絡して洞窟に直行だぜ!行くよな桑原、未来!」
桑原と未来に同意を求める幽助だが、二人からの返事はない。
「どうした。早くしろよ」
「いやっ、あの、その」
「えっとー…」
「なんだオメーら、気持ち悪いな」
もじもじ身体をくねらせはっきりしない二人に、幽助は顔をしかめる。